EC-CUBEの歴史と全バージョンの機能や推移
📌2006年:EC-CUBE1系(初代)
国産オープンソースECとして誕生。 当時は海外製のECシステムが主流だった中、日本の商習慣に合ったEC構築ができる画期的な存在として登場。 商品管理やカート機能など、基本機能を備えたシンプルな構成。
📌2007年〜:EC-CUBE 2系
- 2.0(2007年)〜2.13系・2.17系まで進化、その後2.25もリリース。
- 複数カテゴリ対応、オーナーズストア(プラグイン販売)開始
- カスタマイズ性が大幅に向上し、導入事例も急増
- ただし、バージョンごとに構造が大きく異なり、バージョンアップの難易度が高いのが特徴
2.0(2007年)
- 初のメジャーアップデートとして登場
- 自動アップデート機能が話題に
- 基本機能が整い、国産ECのスタンダードとして広がり始める
2.4系(2009年)
- 管理画面の操作性が向上
- モバイル(ガラケー)対応が強化され、携帯ショップ展開がしやすくなる
- カスタマイズ性も高まり、導入事例が急増
2.11系(2011年)
- デザインテンプレートの構造が整理され、より柔軟なレイアウト調整が可能に
- 管理画面のUIが改善され、運用しやすさが向上
2.12系(2012年)
- 軽微な機能追加と安定性の強化
- 法人向けのカスタマイズ事例が増加し、BtoB対応も進む
2.13系(2013年)
- プラグイン機能が初めて追加され、オーナーズストアが本格始動
- カスタマイズなしでも機能追加が可能になり、開発の敷居が下がる
- 最も長く使われた2系の完成形とも言えるバージョン
2系の特徴まとめ
- PHPベースでカスタマイズがしやすい
- 導入事例が多く、日本語情報が豊富
- モバイル対応や法人向け機能も充実
- ただし、PHP8には非対応で、現在の環境では動作に注意が必要
番外:2系でも少し特殊な進化を遂げたバージョン
EC-CUBE 2.17系(リリース:2019年10月)
EC-CUBE3系や4系が登場した後も、2系を使い続けたいというニーズに応える形でリリースされたのが2.17系。 特に2.13系を使っていたユーザー向けに、最新のサーバ環境(PHP7)でも動作する2系の最新版として登場。
主な特徴:
- PHP7対応(7.1〜7.4)
- MySQLで約200%の高速化
- 2.13.5からの移行がスムーズ(DB構造の変更なし)
- 長期運用を見据えた安定性重視の構成
「2系のまま、でも今のサーバで安全に使いたい」という要望から生まれる。
🧱 EC-CUBE 2.25系(リリース:2025年4月)
「さすがに2系はもう終わりかな…」と思われていた中、 セキュリティ強化の社会的要請と、2系ユーザーの根強いニーズに応えて登場したのが2.25系!
主な特徴:
- PHP8.4対応
- Smarty5対応
- 400件以上の改善・不具合修正
- 2.13.5や2.17.2からの移行が可能(DB構造の変更なし)
- モジュールやプラグインの互換性も極力維持
📌2015年:EC-CUBE 3系
- Symfony2ベースに刷新し、モダンな開発環境へ移行
- スマホ対応やレスポンシブデザインが標準に
- ただし、2系との互換性がなく、移行には大幅な再構築が必要
- プラグイン数はやや少なめで、開発者向けの印象が強い時期
📌2018年:EC-CUBE 4系
- Symfony3/4ベースで、3系の課題を解消しつつ安定性と拡張性を両立
- 4.0系〜4.3系まで進化し、PHP8対応や決済機能の強化、法制度対応などを実現
- 4.2系からはPHP8に対応し、4.3系ではAmazon Payが無料バンドルに
- 現在の主流バージョンとして多くのショップで採用中
EC-CUBE 4.0系(2018年〜)
2018年にリリースされた4.0.0は、EC-CUBE3系の課題を改善し、より安定した構造で登場しました。 対応PHPは7.2〜7.4で、スマートフォン対応のレスポンシブデザインが標準に。 ただし、当時はまだPHP8には非対応で、セキュリティや法制度対応も限定的でした。
EC-CUBE 4.1系(2021年〜)
2021年に登場した4.1.0では、SEO機能の強化や2段階認証の導入など、運用面の改善が進みました。 対応PHPは7.4のみで、Composer v1環境での運用が前提となっていました。 このバージョンを使っているショップも多く、現在でも安定稼働しているケースがありますが、PHP8には非対応です。
EC-CUBE 4.2系(2022年〜)
2022年9月にリリースされた4.2.0は、初めてPHP8に対応したバージョンです。 公式ではPHP7.4〜8.1まで対応とされており、移行のしやすさと将来性を兼ね備えたバージョンです。 インボイス制度や改正特定商取引法、サードパーティCookie廃止への対応など、法制度や技術トレンドに合わせた機能追加も行われました。
EC-CUBE 4.3系(2024年〜)
2024年に登場した4.3.0、そして2025年9月リリースの4.3.1では、決済機能が大きく進化しました。 特に注目なのは、Amazon Payが無料で標準バンドルされたこと。 また、EC-CUBE Payment Plus(旧イプシロン)も同時にバンドルされ、インストール直後から決済導入が可能に。 対応PHPは8.1〜8.3(推奨)で、今後のPHP環境にも柔軟に対応できる設計です。
📌今後?EC-CUBE 5系(開発者向けプレビュー)
- Symfony6ベースを予定
- よりモダンな設計と高速化を目指す次世代バージョン
- 現在は開発者向けにプレビュー段階、本格導入は今後に期待